ブラジル①
みなさんこんにちは☆IIKEN HOUSE丸田です(^0^)
実は私、学生時代に一年間ブラジルのリオデジャネイロに留学していた経験があります。
そこで本日から、ブラジル留学中に体験した出来事をブログにて少しずつ紹介していこうと思います。
(※長くなるのでお時間のある方だけどうぞ!)
第一話「ホームステイ」
最初の半年間、ブラジル人家族のお家にホームステイをさせてもらっていました。
ホームステイ先に入居した日、歯を磨こうと洗面所に行きました。そこには使いかけの古びた歯ブラシが置いてあり、その歯ブラシを使っていいと言われていました。さすがに自分で歯ブラシは持ってきているし、他人の使った毛先がバッサバサの歯ブラシを使うのは抵抗があるので、無論それを使わずに自分のを使い続けました。
ある日私は道で犬の糞を踏みます。ブラジルの道にはカンボジアの地雷並に犬の糞が落ちています。それもあっちの犬は普段何を食べているか分かりませんが強烈な臭いの不発弾をそこら中に産み出します。よってブラジルで犬の糞を踏むことは極めて普通の日常生活の一部と言っていいのです。もし当時が戦時中だったら私は足の一本や二本失っていたでしょう。
そんなこんなで靴裏の隙間に入ってしまった犬の糞を除去すべく、私にはブラシが必要でした。当たり前のように先述した歯ブラシを使いました。どうせ使わないのなら、何かに利用した方が歯ブラシにとっても私にとっても今後同じ屋根の下で暮らしていく以上お互いの関係が円滑に進むであろうと考えました。
お陰様で彼は犬の糞をみるみる落としました。もともと歯ブラシは犬の糞をとるために開発されたと聞いたことがあります。その由来の如くその際もきれいさっぱり犬の糞を除去してみせました。
その夜、いつも通り家族で夕食を食べ終わり、食後にトイレに行ったときでした。この一家の主人であるマウリシオがあの歯ブラシを使って歯を磨いているではありませんか。
私は一瞬気を失いかけました。同時に最初の日に歯ブラシを使っていいと言われたことや自分が一生懸命犬の糞をとっているシーンがフラッシュバックしてきて何が何だか分からなくなりました。
あれって誰も使ってない歯ブラシじゃなかったの?
もう誰も信じない。目の前が真っ暗闇に包まれました。
しばらくして食後の歯磨きをしているマウリシオの姿を視界に入れることができるようになり冷静さを取り戻したものの、当時の私にはその状況を彼に伝える語学力がありませんでした。
ただただウンチ歯ブラシで鼻歌を歌いながら歯を磨くウンチマン(マウリシオ)を哀れんだ目で見つめていることしかできませんでした。 まさか彼も食後に歯を綺麗にするための行為が己の口の中に犬の糞を突っ込んでいることになっているとは思わなかったでしょう。
そう考えると少し笑えました。
大変申し訳ありませんでしたが、当時の私にはどうすることもできなかった。ただ彼とはしばらく会話をしたくなかった。彼がお腹を壊さないか心配することぐらいが私にできる精一杯の気遣いでした。
この経験を踏まえ、今後私はカンボジアの地雷撤去キャンペーンに志願するつもりです。もう二度とマウリシオのような犠牲者を出してはなりません。
To be continued…